10月6日木曜日、京都市美術館で開催中の『若冲の京都 KYOTOの若冲』展に行ってきました。
東京の若冲展はとんでもない混雑だったらしいので、気合い入れて頑張って9時半に美術館に着いたら入場待ちの列も何もなく(笑)。
めっちゃゆっくりのんびり快適に鑑賞できてしまいました。

平日、ということももちろんあるでしょう。11月の「象と鯨図屏風」や「百犬図」の展示を待っている方も多そう。
私も「象と鯨図屏風」見たかったんですけど、11月6日~20日の間に行けるとは限らないので、とにかく時間のあるうちに行っちゃおうということで(前売り券はGetしてあった)足を運びました。
京都国立博物館の方はよく行っているのですが、京都市美術館を訪れるのは久しぶり。
京都市美術館の外観も素敵ですよね~。天守閣みたいな意匠。展覧会の掲示板もお城っぽくて趣がある。
昭和8年の開館で、公立美術館としては東京都美術館に次いで日本で二番目に古いそうな。

で、一つ一つの作品をゆっくりじっくり堪能できた『若冲の京都』展。
水墨画が中心で、カラフルなものは数えるほどしかなく、映像コーナーで「動植綵絵」が紹介されていた時、「こーゆーのが見たかったのに」とおっしゃっている方もいらっしゃいました。



 東京の若冲展では展示されたんですよね。そりゃ激混みになるわな、っていう(^^;)
これらが来なくて水墨画中心って知ってる人が多いから空いてたのかも……???

でも。

水墨画もいいですよ。
もともと私は鉄斎とか好きなので若冲の水墨画、とても楽しめました。
なんというか、本当に巧い。
いや、当たり前だけど。

若冲が好んでたくさん描いた鶏。その、とさかや脚の質感。墨の濃淡と筆のタッチの使い分けで生み出される見事な毛羽。

鶴もねぇ。くちばしや頭の部分のリアルさ(でも線はとてもシンプル)と、胴体を表すさっと一筆書きしたような、デフォルメされた線の絶妙な組みあわせ。
構図の妙。

背景の枝の表現なんかは「よくある水墨画」っぽく見えて、全体としては柔らかいというか。
中国系の正統派(?)水墨画ってちょっとカクカクした感じがあるじゃないですか。山水も峻厳な感じで。

布袋さんがあっかんべーしてるような奴、すごく可愛いし、犬を描いたものとか絶妙なゆるさがあって、「動植綵絵」の精密さとはまた全然違う良さがある。

一方であんな精密で何十色も使ったような絵を描き、一方で墨だけでさらさら~っとてきとーに描いたような(でももちろんとても巧い)絵を描く。

あーゆーのもこーゆーのも、自在に描いてはったんやなぁ、と思うとほんま若冲さんすごい。

「糸瓜群虫図」なんてそのリアルさも色使いも図鑑のようで、西洋画のようです。18世紀の日本に、他にこんな絵を描く人っていたんでしょうか?

「象と鯨図屏風」は見られなかったものの、象だけを正面からどーんと描いた「象図」はあって、これがまたなんともゆるくて破壊力高い。
なんだろう、ミッフィーやキティと並べて置きたいようなデフォルメ感がたまりません。
あの時代に象って……何を見て描いたんでしょうね。
1728年に吉宗に献上するため長崎に上陸した象が京都も通って人気を博したらしいので、若冲も生きた象を見たのでしょうか。1716年生まれの若冲はその時12歳……。今回出展されていた「象図」は1790年に描かれたものだそう。
74歳であの象描いたのか……。
(戦利品♪)


若冲展を堪能したあとは少し近辺を散策。まずはすぐそばの平安神宮。大鳥居どーん! 


動物園の裏手をてくてく歩いて蹴上の方へ。途中お土産にお漬け物を買ったりなどして南禅寺。


紅葉の頃は大混雑する南禅寺もまだガラガラ。静かにお詣りできます。青紅葉もまたをかし。


つい嬉しがって何枚も撮ってしまう水路閣。これまでにもさんざん撮ってるんですけどね(^^;)